2012年4月15日(日)、YouATスタッフの小田と住田の両名は神戸で開催された「起業応援フェスティバル」に出店しました。

YouATの新事業である「字天」漢字デザインサービスがテーマでした。
コピーライターの小田が、会場におられた17名の起業家の方々にその場で「新ことば」を考案・贈呈いたしました。

以下に、当日考案した「新ことば」を簡略に紹介申し上げます。

隣然」は、ZACCESS Consulting代表取締役 鬼頭秀彰さんへ。

鬼頭さんは、東京南青山に営業改革専門のコンサルティングオフィスを持ち、これが本業です。
4月15日に出店なされた事業は、それとは別で、知的障がいを持つ子供たちへの支援事業として鬼頭さんが始められたものでした。
すなわち、子供たちの手書きの文字を使って名刺を作り、これを顧客にオーダーメイドで提供する「キセキノメイシ」と名づけた事業です。
売上の一部は子供たちに還元されて、子供たちに実利とともに人の役に立つという誇りをもってもらう、という趣意があります。
人が手で書いた文字は、その人の魂が乗り移っているようなものです。
子供たちがそれぞれの魂を贈って、それが快く受け入れられて使われるならば、どれだけその魂の力となることでしょうか。

私は、鬼頭さんのお話を聞いて、すぐに『論語』のこの言葉を思い浮かべました。

-徳、孤ならず。必ず隣あり。

「徳(とく)」という字の意味は、分かったようで分かりにくい。
しかし、その語源は「得(とく)」と同じです。それぞれの人が持っている、何かしら役に立つもの、あるいは他人を楽しませるもの。要は、得させるもの。それが、「得」=「徳」です。
人間が持っている「徳」=「得」は、孤立させてはおれないものだ。必ず相引き合い、隣に人を引き寄せるものだ。
孔子は、こう言ったのです。当り前のことで、しかし当たり前のことをさらりと簡単に言うことができたから、偉大なのです。

私は、この孔子の言葉から連想して、鬼頭さんの事業に対して「隣然(りんぜん)」という字を創案しました。
「然」の字は「そのような姿」という意味です。
自(おのずか)ら然ならば、自然(しぜん)。
天が与えた通りの然ならば、天然(てんねん)。
ならば、隣があり、隣ができていく姿ならば、「隣然」だろう。
鬼頭さんの思いが隣然として広がり、子供たちが隣然となるように、願います。

(つづく)

「字天」漢字デザインサービスページはこちら:
http://www.jiten.biz