2014年7月19日(土)、京都烏丸御池の「Samurai Cafe & Bar SHISHIN(士心)」にて、第十八回字天ナイトを開催いたしました。

当日のライブの、活動報告です。

第十八回目の字天ナイトもまた書家の八木翠月先生にご臨席いただき、小田の「新ことば」を即興で書にしたためていただきました。

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本日一つめの「新ことば」を贈らせていただいたのは、ジョー岡田さん。
国際人の、サムライです。
ジョーさんの大いなる経歴とご活動をお伺いして、そこから得た発想を書家の八木翠月先生にお願いして字を書いていただきました。




「世解人」
(せかいじん/よときびと)

「世解人」。

解明、解説、解決。
いずれの意味も、ジョーさんの姿を現す「解」の一字であると、思いました。
世界を又にかける解決の人、これぞ世解人(せかいじん)。
また同時に、世の中の疑問を解き明かす、世解人(よときびと)。
今夜は、この「新ことば」をお贈りさせていただきました。
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On July 19th of 2014 I created a new kanji word for him.
It is “世解人 (Sekai-jin/Yotoki-bito )”.
You can read it as you like.

The kanji character “解” can have various meanings when it is added to other character.
For example,
“解明 (kaimei)” – roughly means “(clear) explanation”.
“解説 (kaisetsu)” – roughly means “explanation”.
“解決 (kaiketsu)” – roughly means “solution”…
These words all indicate what he is, I think.
He is “世解人 (Sekai-jin)” – a man who acts worldwide in order to solve problems.
And he is “世解人 (Yotoki-bito)” – a man who explains answers for questions in this world.




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本日二つめの「新ことば」を贈らせていただいたのは、太田洋平さん。
太田さんは、大学の専攻を教育に変えて将来は教育関係に進むコースを考えておられると伺いました。
木火土金水の五字から「木」の字を選ばれて、大木のように人が休みに来るイメージがお好きだということです。人の成長を見守り、成長していくことを喜ぶことを望んでおられる方である、と印象を受けました。




「同人于喜」
(どうじんうき/ひととおなじうするに、よろこびにおいてす)

古代中国の卜筮(ぼくぜい)、すなわち占いの書であるのが、『易経』です。『易経』は森羅万象の移り変わりを陰と陽の二元素の変化によって記録し、神意を聞いて現在の状況を確かめて将来に備えるための智恵の書物です。
『易経』は陰陽の組み合わせを六十四の「卦(け)」に整理して、占いの結果がそのいずれかに当たるシステムです。各々の卦には卦辞(けじ)・爻辞(こうじ)・易伝(えきでん)の解説が書かれていて、占う者はそこから意味を解き明かします。『易経』の思想の素晴らしいところは、この世界に完全な勝者も完全な敗者もなく、上昇して頂点にある者にはすでにその中に下降の予兆が宿っており、逆に下降して底辺にある者にはすでに底が尽きて再び上昇する予兆が宿っている、循環的変化が世界のあり方である、ということを解き明かしていることです。占いの神意を得る者は、栄光の最中に「亢竜(こうりょう)悔いあり」と転落を戒めて身を謹むことを学び、悲嘆の中にも「一陽来復(いちようらいふく)」の希望を持ってあきらめないことを学ぶことができます。

今夜は太田さんのために、その『易経』の卦の一である「同人」から、その卦辞を引用して新ことばを作成しました。原文は、

同人于野

-人と同じうするに、野においてす。

「同人」の卦は、人と会って同意するときには広くて四方から見渡せる野において行え、つまり誰から見ても非難を受けないような公正な関係を人と持つように心がけるのがよい、ということを示唆しています。この卦を占って得た者は、正しい道をもって交友することが今後の発展を開くであろう、という神意を得たこととなるでしょう。

太田さんのイメージに合わせて、『易経』から一句を取り一字だけ変えてみました。
人と会って同意するときに、互いに喜ぶことを原則とする。
喜びが互いにあれば、互いによい関係を結ぶこともできるだろう。喜びの輪が広がれば、人の輪も広がっていくであろう。

そのように考えて、「同人于喜」という言葉を、今夜は太田さんのために選ばせていただきました。


「新ことば」Live字天ナイト at Samurai Cafe & Bar SHISHINは、来月も開催する予定です。
またとない体験を、皆さんもどうかお試しください。初見の方、大歓迎です!